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社長の独り言

ざっぴん相場の話 - たまに覗くから面白い!毎日見ないでぇ・・・飽きるから。。 -

投稿日時:2014/03/19(水) 05:45


「鉄・非鉄金属のミックスメタル」

私どもスクラップ業者の間では、雑品(ざっぴん)と呼ばれるスクラップです。



この雑品(ざっぴん)スクラップを再資源化するためには、何らかの方法で鉄や銅、アルミ、ステンなどの金属をしっかりと分別する必要があります。

仮に分別されなければ、基本的には再資源化できない物品、すなわちゴミとなる訳です。



雑品(ざっぴん)を各金属へと分別するには大きな労力とコストが必要であり、その昔はゴミ(廃棄物)の扱いでした。

しかし、金属価格の上昇と、人件費が安い(安かった)中国での旺盛な需要などの理由により、一躍ざっぴんが「商品」としての扱いを受けるようになりました。



雑品は、北京オリンピックが開催された2008年に価格のピークを迎えます。

しかし、2007年のサブプライムローン問題に端を発した米国バブル崩壊により、2007年の時点で世界経済への不安が広がり、資源価格下落の兆しが広がっていました。



2008年夏、中国経済急成長の精神的けん引役であった北京オリンピックが終わります。

9月には約6000億ドル(約64兆円)という史上最大の負債総額で、アメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズが破綻。

世界連鎖的な金融危機が発生しました。



この影響により、2008年の晩秋から初冬にかけての時期、雑品は相場下落により、一時的に逆有償(ゴミ扱い)にもなりました・・・。

リーマンショック以前からスクラップに携わる仕事に従事されている方なら、骨身にしみて記憶されていることでしょう。

思い出しただけでも、ゾッとするような時期でした。



時は流れ、リーマンショック後にスクラップ事業に関わることになった方も多くなってきております。それは、弊社でも例外ではありません。

実際に体験していないと実感が沸かないでしょうが、長いスパンで見れば必ず同じようなことが起こる・・・と、常々考えている次第です。

その日が来てもオマンマ食い上げにならないよう、「デラざっぴん」という社名で、雑品を主に扱う会社であることをアピールしながらも、雑品以外の商品を一所懸命に扱っているわけです。



前置きが長くなりました。

スクラップ事業に従事されている方はすでにご存知でしょうが、現在雑品の価格が急落しています。

リーマンショック後の混乱期のことが、否応なしに思い出されます。



冒頭、「雑品とは鉄・非鉄金属のミックススクラップ」という話をさせていただきました。

雑品が家電製品のスクラップだと思っている方がおられれば、それは間違いです。

頭の中が、リーマンショック以前のままの、危険な発想ですよ~。




さて、雑品にはいくつかのグレードがあります。

鉄・非鉄金属のミックスメタルであるわけですから、価格の高い非鉄金属が多く含まれているモノがグレードが高い・・・ということになります。



グレードの分け方や取り扱いは、各スクラップ業者ごとに異なります。

弊社の場合、3~4種類くらいにグレード分けしますかねえ。



一番多いのが普通の雑品。

少なくとも弊社内で「雑品」と呼ぶときは、この普通の雑品を指します。

「普通の」と言っても分かりにくいでしょうが、「普通のグレード・品質」と言う意味です。

鉄が主体で、非鉄金属が少量含まれているレベルです。

かつては、家電製品のスクラップなんかが該当したような品質と言ったほうがわかりやすいか?



普通の雑品と比べると、非鉄金属の割合が高いものは、「工業雑品」とか「機械雑品」などという呼び方をして区別しています。

要するに、非鉄金属の割合が高い雑品です。

当然、品質が高い分、お値段も高くなります。



最後はさらに品質の高い雑品です。

このグレードになると、「雑品」という呼び方をされずに単体の名前で呼ばれることが多いかと思います。

例えば、給湯器やトランスコア、ブレーカーなどのスクラップが該当するのですが、それぞれ単体の名前で取引されることが多いでしょう。

でも、ミックスメタルである以上は、誰が何と言おうと、「雑品」です。




今日の本題は、これらの雑品の価格が急落しているという話です。

時間の都合もありますので、今日はズバリ現在の価格についての話だけをさせていただきます、



「普通雑品」に関しては、現在弊社ヤード持込で、キロ10円程度です。

品質チェックも、以前よりは厳しいです。

ダストが入っていれば、ダスト引き、もしくは、お持ち帰りをお願いすることになります。



「工業雑品」、「機械雑品」に関しては、キロ25円程度です。

こちらの方が、さらに品質チェックが厳しくなっています。

これまで、ある程度は普通雑品が混在していても大目に見ているところがありましたが、現在は厳格な区分けが必要です。




お客様に対して、スクラップの品質についてあれこれと注文をつけるのは、私は正直好きではありません。

お互いプロ同士の同業者間取引なら、遠慮なく物申しますが、スクラップを売ることが本業でない方に対して、あまり細かい注文をつけるのは、いかがなものか・・・と考えているためです。

そのため、多くの場合は、「現在スクラップの相場が大きく下がっているため、このスクラップだとこの値段になります」程度の説明しかしていません。

細かい話がお望みなら、いくらでもお相手するのですが、本業としているのでなければ、そんなに関心のある話とは思えないですからね。



でも、今の雑品相場は危機的状況というか、限界ぎりぎりのラインだという危機感は持っております。

普通雑品はヤード持込でキロ10円でしょ?

じゃあ、お客さんのところへ引き取りに行って、キロ何円の値段をつけれます?



4トン車で引き取りに行って、仮に4トンの普通雑品を積んだとして(実際には積めない)、ゼロ円で引き取ったとしても、4万円の粗利です。

おそらくこのくらいの粗利が、4トンの普通雑品を引き取りに行く場合の採算ラインであると思われます。



現在の普通雑品がヤード着でキロ10円という価格は、引き取りに行くお客さんに対して代金を支払うことが難しいラインであり、これ以上価格が下落すると、ゼロ円引き取りでも無理・・・という、限界ギリギリのラインだということです。



よ~く頭を働かせて仕事をしないと、あっと言う間に谷底へ突き落とされそうですね・・・。


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