社長の独り言
金属相場とウクライナ - たまに覗くから面白い!毎日見ないでぇ・・・飽きるから。。 -
投稿日時:2014/03/17(月) 05:39
先週末のブログでは金属相場(正確には銅相場)の急落について書かせていただきました。
急落の主たる原因は、中国経済の不安拡大なのですが、中国人の資源買い意欲減退について書いてもつまらないので、予告どおりウクライナについて書こうかなと思います。
なぜウクライナかといえば、銅相場の変動に関係あるかもしれないし、無いかも知れない。
ただ、中国だけを見ていても物事の本質は見えてこない。
中国人は、自国だけじゃなくて世界を見てますよ(たぶん)・・・ということで、銅相場急落の原因をウクライナに求めてみた次第です。
ソチオリンピック期間中の2014年2月18日、ウクライナの首都キエフなどで2014年ウクライナ騒乱が勃発し、3月1日からはロシアによりクリミア侵攻が開始されました。
「ウクライナという国で、何かが起きているらしい・・・」
何だかよく分からないけれど、そんなニュースを見聞きしたことがありますか?
まず、ウクライナという国がどこにあるのかも分からない人が多数派でしょう。
分かりやすいように、地図を作ってみましたよ。
イギリスやドイツ、フランス、イタリアといった、我々日本人にもなじみの深い、メジャー(?)な国と一緒に地図に並べると、比較的わかりやすいでしょ?

赤で囲った部分がウクライナです。
ポーランドやルーマニアといった国のさらに東に位置する、東ヨーロッパの国です。
ウクライナの東側は国名が出ていませんが、全てソ連・・・いや、ロシアになります。
ウクライナでは、親EU派の市民が、親ロシア派で独裁的な大統領に対する抗議デモを繰り返していたのですが、2014年2月18日、デモ隊、治安当局双方に多数の死者が出る大規模な騒乱が首都キエフなどで勃発しました。
この騒乱の結果、ウクライナの大統領は国外へ脱出することになり、野党勢力の代表が大統領代行に就任となりました。
ここまでなら、日本から遠いヨーロッパの小国で起きたイザコザ・・・ということで、少なくとも我々に一般市民に大きな影響はなかったのでしょう。
ヨーロッパの人間が、アジアの情勢にあまり関心がないのと同じですね。
ところが事態は世界的な大ニュースとなりました。
3月1日、隣国のロシアが、ウクライナの南部に位置する「クリミア半島」に対して侵攻を開始し、事実上支配下に置いてしまいました。
それで、クリミアっていうのは一体どこなのか?
下の拡大地図をご覧下さい。
赤丸で囲った場所が、話題のクリミア半島です。

クリミア半島とは黒海に突きだす半島で、面積は四国の1・4倍にあたる2万5500平方キロ、半島南端のセバストポリではロシア海軍が黒海艦隊の基地を租借しています。
半島のほぼ全域がウクライナのクリミア自治共和国に含まれるという地域です。
ウクライナという国で何が起こったかについては、大体理解いただけましたでしょうか?
それで、我々にどんな影響があるのか?・・・という話です。
曲がりなりにも世界有数の大国であるロシアが、帝国主義時代に逆戻りしたかのような行動を見せたわけですので、経済に対する影響は大きなものになります。
ロシア通貨の「ルーブル」は大規模に売られて、対ドル、対ユーロで急落し、過去最安値の水準にあります。
また、ロシアってのは大資源国ですので、ガスや油の価格は不安定になっています。
あと、世界の株価なんかにも影響が出ていますねえ・・・。
そんな中で、金属相場に対する影響も大きいと私は考えております。
私どもは、金、銀、パラジウムといった貴金属含有スクラップや、銅をはじめとする非鉄金属スクラップの現物を扱うのが仕事です。
ウクライナを巡る情勢の変化で、これらの商品相場がどのように変動するのかが興味のあるところです。
私のような素人考えだと、有事の金(ゴールド)は上昇、非鉄金属は下落・・・というのが、一般的な考え方になるかと思います。
通貨が信用を失う可能性の高い動乱時期には、資産としての金価格が上昇し、一方で消費材の原材料である非鉄金属については需要が低下するという考え方です。
こんな教科書通り(?)の動きをしてくれれば、私はいまごろ超高額所得者になっていることでしょう。
残念ながら、そんな誰でもが思いつくような動きをしてくれるものではありません。
ただ、最近の金相場は比較的高値を付けているように思います。
今年2月の金建値は、月平均で4,292円/gでした。
3月に入ってからは、コンスタントに4,400円/gを上回っており、先週末には4,500円/gを上回っています。
銅建値については、冒頭で申し上げたとおり、2月25日にトン78万円であったのが、3月3日にトン77万円、3月10日にトン75万円、3月13日にトン71万円へと引き下げが続きました。
偶然なのか必然なのかは知りませんが、3月上旬の金属相場の値動きに関しては、教科書通りの値動きをしています。
今後の動きについては、米国やEUが、どのような対抗措置を取るかによって変わってくるでしょう。
経済への悪影響を覚悟で、大規模な経済制裁を加えてくるのか、それとも形だけの抗議に終わるのかということです。
私は、形だけの抗議に終わると踏んでいます。
ウクライナの国土がロシア軍に支配されようとも、米国も欧州も本気で動かないだろうということです。
落ち着きを取り戻すんじゃないか・・・ということですね。
つまり、金属相場に関しても、ウクライナ情勢が与える影響は収束するという予想です。
以下は余談になります。
経済的な影響が小さいのは良いことですが、非常に怖いことですね。
ある日突然、中国軍が沖縄に侵攻してきてこれを占拠しても、どこの国も知らんふり・・・というのが現実なのだろうと思い知らされる思いです。
もっとも、現実には沖縄本島には多くの米軍基地がありますから、米国は自国民を見殺しにできないという事情があります。
ただし、たとえば無人島である尖閣諸島を軍事力でもって制圧されても、どこの国も助けてくれないであろうことは明白ですね。
今のウクライナ情勢がそうなのですが、侵略者は対外的なウケが良いように、極力血を流さないように配慮します。
紛争の拡大をも辞さない、犠牲を払う覚悟で強固な防衛意思を世界に示し、自国にも火の粉が降りかかるんじゃないかという恐れを各国に抱かせない限り、皆知らんふりです。
よ~く覚えておかないとね・・・。
急落の主たる原因は、中国経済の不安拡大なのですが、中国人の資源買い意欲減退について書いてもつまらないので、予告どおりウクライナについて書こうかなと思います。
なぜウクライナかといえば、銅相場の変動に関係あるかもしれないし、無いかも知れない。
ただ、中国だけを見ていても物事の本質は見えてこない。
中国人は、自国だけじゃなくて世界を見てますよ(たぶん)・・・ということで、銅相場急落の原因をウクライナに求めてみた次第です。
ソチオリンピック期間中の2014年2月18日、ウクライナの首都キエフなどで2014年ウクライナ騒乱が勃発し、3月1日からはロシアによりクリミア侵攻が開始されました。
「ウクライナという国で、何かが起きているらしい・・・」
何だかよく分からないけれど、そんなニュースを見聞きしたことがありますか?
まず、ウクライナという国がどこにあるのかも分からない人が多数派でしょう。
分かりやすいように、地図を作ってみましたよ。
イギリスやドイツ、フランス、イタリアといった、我々日本人にもなじみの深い、メジャー(?)な国と一緒に地図に並べると、比較的わかりやすいでしょ?

赤で囲った部分がウクライナです。
ポーランドやルーマニアといった国のさらに東に位置する、東ヨーロッパの国です。
ウクライナの東側は国名が出ていませんが、全てソ連・・・いや、ロシアになります。
ウクライナでは、親EU派の市民が、親ロシア派で独裁的な大統領に対する抗議デモを繰り返していたのですが、2014年2月18日、デモ隊、治安当局双方に多数の死者が出る大規模な騒乱が首都キエフなどで勃発しました。
この騒乱の結果、ウクライナの大統領は国外へ脱出することになり、野党勢力の代表が大統領代行に就任となりました。
ここまでなら、日本から遠いヨーロッパの小国で起きたイザコザ・・・ということで、少なくとも我々に一般市民に大きな影響はなかったのでしょう。
ヨーロッパの人間が、アジアの情勢にあまり関心がないのと同じですね。
ところが事態は世界的な大ニュースとなりました。
3月1日、隣国のロシアが、ウクライナの南部に位置する「クリミア半島」に対して侵攻を開始し、事実上支配下に置いてしまいました。
それで、クリミアっていうのは一体どこなのか?
下の拡大地図をご覧下さい。
赤丸で囲った場所が、話題のクリミア半島です。

クリミア半島とは黒海に突きだす半島で、面積は四国の1・4倍にあたる2万5500平方キロ、半島南端のセバストポリではロシア海軍が黒海艦隊の基地を租借しています。
半島のほぼ全域がウクライナのクリミア自治共和国に含まれるという地域です。
ウクライナという国で何が起こったかについては、大体理解いただけましたでしょうか?
それで、我々にどんな影響があるのか?・・・という話です。
曲がりなりにも世界有数の大国であるロシアが、帝国主義時代に逆戻りしたかのような行動を見せたわけですので、経済に対する影響は大きなものになります。
ロシア通貨の「ルーブル」は大規模に売られて、対ドル、対ユーロで急落し、過去最安値の水準にあります。
また、ロシアってのは大資源国ですので、ガスや油の価格は不安定になっています。
あと、世界の株価なんかにも影響が出ていますねえ・・・。
そんな中で、金属相場に対する影響も大きいと私は考えております。
私どもは、金、銀、パラジウムといった貴金属含有スクラップや、銅をはじめとする非鉄金属スクラップの現物を扱うのが仕事です。
ウクライナを巡る情勢の変化で、これらの商品相場がどのように変動するのかが興味のあるところです。
私のような素人考えだと、有事の金(ゴールド)は上昇、非鉄金属は下落・・・というのが、一般的な考え方になるかと思います。
通貨が信用を失う可能性の高い動乱時期には、資産としての金価格が上昇し、一方で消費材の原材料である非鉄金属については需要が低下するという考え方です。
こんな教科書通り(?)の動きをしてくれれば、私はいまごろ超高額所得者になっていることでしょう。
残念ながら、そんな誰でもが思いつくような動きをしてくれるものではありません。
ただ、最近の金相場は比較的高値を付けているように思います。
今年2月の金建値は、月平均で4,292円/gでした。
3月に入ってからは、コンスタントに4,400円/gを上回っており、先週末には4,500円/gを上回っています。
銅建値については、冒頭で申し上げたとおり、2月25日にトン78万円であったのが、3月3日にトン77万円、3月10日にトン75万円、3月13日にトン71万円へと引き下げが続きました。
偶然なのか必然なのかは知りませんが、3月上旬の金属相場の値動きに関しては、教科書通りの値動きをしています。
今後の動きについては、米国やEUが、どのような対抗措置を取るかによって変わってくるでしょう。
経済への悪影響を覚悟で、大規模な経済制裁を加えてくるのか、それとも形だけの抗議に終わるのかということです。
私は、形だけの抗議に終わると踏んでいます。
ウクライナの国土がロシア軍に支配されようとも、米国も欧州も本気で動かないだろうということです。
落ち着きを取り戻すんじゃないか・・・ということですね。
つまり、金属相場に関しても、ウクライナ情勢が与える影響は収束するという予想です。
以下は余談になります。
経済的な影響が小さいのは良いことですが、非常に怖いことですね。
ある日突然、中国軍が沖縄に侵攻してきてこれを占拠しても、どこの国も知らんふり・・・というのが現実なのだろうと思い知らされる思いです。
もっとも、現実には沖縄本島には多くの米軍基地がありますから、米国は自国民を見殺しにできないという事情があります。
ただし、たとえば無人島である尖閣諸島を軍事力でもって制圧されても、どこの国も助けてくれないであろうことは明白ですね。
今のウクライナ情勢がそうなのですが、侵略者は対外的なウケが良いように、極力血を流さないように配慮します。
紛争の拡大をも辞さない、犠牲を払う覚悟で強固な防衛意思を世界に示し、自国にも火の粉が降りかかるんじゃないかという恐れを各国に抱かせない限り、皆知らんふりです。
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