社長の独り言 2014/3/24
パソコン基板の問い合わせ・・・ - たまに覗くから面白い!毎日見ないでぇ・・・飽きるから。。 -
投稿日時:2014/03/24(月) 05:15
先週末に基板スクラップの引き合いを2件受けました。
一件目は、非鉄金属スクラップでの取引実績があるものの、基板スクラップのような貴金属含有スクラップは取り引きしたことがないお客様です。
話を聞いてみると、パソコンのマザーボードを売りたいとのこと。
「パソコンマザーボード」の取り引きに関しては、いつも頭を痛めます。
お客さんがイメージしている価値と、現実の価値に隔たりがあることが多く、商談が流れるだけなら良いのですが、お客さんに不信感を抱かせることもあるという、私にとって危険な商品なのです。
まず、売り手であるお客さんが、「キロ500円ぐらいかな?」と考えている品物が、実際に確認してみると、キロ200円ほどの価値しかないものだった・・・なんて話はザラ。
私としては、正直にお客様にとって喜ばしくない現実をお答えするしかない訳です。
ところが、人間というのは不都合な現実を認めたがらない生き物ですから、お客さんは「この基板は、本当にそんなに低い価値なのか?」と疑念をもたれることになるでしょう。
平たく言えば、「コイツ(私)は、安く買い叩こうと思って、嘘を言っているのではないか?」と思われるわけです。
安く買い叩くことにより利益を上げるのも良いのですが、そんな商売は決して長続きしません。
適正な商売をすることが、長期的に見て利益となるとも思います。
だから、決して嘘を言って買い叩くような真似はしないのですが、「結果として嘘をつくことになる」可能性もあるのが、基板スクラップ取り引きの怖いところです。
先ほどの例で、私が「キロ200円ほどの価値」と申し上げたのは、貴金属スクラップとして金属抽出のための精錬をした場合の価値の話です。
これは、大体正しいとお考えください。
ところが、現実にはこの基板が、キロ300円や400円といった、実際の価値以上の価格で売買されることがあります。
なぜそんなことが起きるのか?
ほとんどの場合、買い手に商品を見る目がないために起こると考えて差し支えないと思います。
実際に精錬会社へパソコンのマザーボードを出荷する際は、様々な品質モノがミックスされて出荷されるケースがほとんどです。
品質的に、良いモノと悪いモノがミックスされて出荷される訳ですから、出てくる結果は中間点の数値が出てくることになります。
キロ200円からキロ600円の範囲のモノがミックスされて精錬に出荷されていれば、精錬結果はキロ400円だった・・・という感じですね。
どのような基板が、どれくらいの割合で出荷されての結果か・・・とまで追いかけるスクラップ業者は、極めてまれですし、高品位の基板か、あるいは低品位の基板かを見分けるには、それなりの経験と知識が必要です。
このような理由により、パソコン基板の精錬結果がキロ400円なのだから、パソコン基板なら何でもキロ300円で何仕入れる・・・という業者が、出てくるわけです。
これで、嘘つきの私が完成です。
私は、正直に「キロ200円の価値です」と言ったつもりでも、現実にキロ300円で売れることもある訳ですから・・・。

画像のマザーボードは、Au=トン15g以下という、驚愕の低スペックです。
これは、1トンのマザーボードから、金(ゴールド)が15g以下しか採れないということです。
金が1gあたり4,500円だとすると、15gで67,500円。
このマザーボードは、金の価値では1トンで67,500円(キロ67円50銭)しかないわけです。
キロ100円でも買えませんわな・・・。