社長の独り言 2015/1/12
原油価格下落で - たまに覗くから面白い!毎日見ないでぇ・・・飽きるから。。 -
投稿日時:2015/01/12(月) 05:35
前回のブログで、「1月5日のニューヨークWTI原油先物価格はが5年8カ月ぶりに1バレル=50ドルを割り込んだ。」という話を書きました。
「原油価格がえらく下がっている」だけの話で時間切れとなったのですが、本来は、「原油価格が下がると、どうなるのか?」という話が本題でありました。
最初に起こるのは、近年の原油高を背景に生産が急激に伸びてきた、シェールオイルなどのエネルギー関連企業の破綻だろう・・・と思っていたら、本当に破綻していました。
以下は、ニュース記事です。
原油価格の急落を受け、米国のシェールオイル関連企業が経営破綻(はたん)した。昨年来の原油安以降、初めての破綻ケースとされる。このまま原油の値下がりが続けば、今後も同業の破綻が増える可能性がある。
破綻したのは、米南部テキサス州でシェールオイル・ガス開発を手がけていた「WBHエナジー」。米メディアによると、4日付で同州の連邦破産裁判所に、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)を申請した。
負債の総額は最大で5千万ドル(約60億円)。急激な原油価格の値下がりで、採算がとれず、資金繰りが悪化したとみられる。
原油価格の国際指標となる「米国産WTI原油」の先物価格は、昨年7月までは1バレル=100ドル台で推移。だが、その後下落に転じ、今年に入って1バレル=50ドルの節目を約5年8カ月ぶりに割り込んだ。
原油安の主な要因は、世界経済の減速による需要減と、「シェール革命」を背景にした米国での急激な生産の増加だ。2008年以降、米国の原油生産量は昨年までで8割も増えた。
ただ、地下数千メートルの硬い岩盤から原油の一種であるシェールオイルを取り出すには、コストがかかる。原油安が広がるなか、米国では石油大手のコノコフィリップスが今年の設備投資額を2割減らすなど、計画の見直しが広がっている。
1月4日に破綻していたんですね~。
米国は、シェール革命によって原油生産量を1日900万バレル超にまで増やしており、サウジを抜いて原油と天然ガスで世界1位の生産国となっています。
しかし、米国のシェールオイルは掘削にコストがかかり、1バレル80ドルを切ると、米国でのシェールオイル生産量の3分の1は採算割れとなるらしい。
米国48州で最もコストが安いシェールオイル石油鉱脈でさえ、1バレル42ドル程度が採算ラインとのことだから、現在では大部分のシェールオイルは採算割れしているのは間違いありません。
そりゃ、シェールオイル関連企業の中には、破綻するところが出てきても、おかしくない・・・ということであります。
シェールオイル関連企業が破綻するだけなら、世界経済もウチも痛くも痒くもないのですが、世の中そうはいきません。
経済っていうのは、全ての分野で密接に繋がっていますから。
「シェールオイルビジネスが盛んである」ということは、そこに大量の資金が流れていることを意味します。
今も昔も、石油ビジネスというのはハイリスク・ハイリターンの代名詞のようなビジネスですので、入り込んでくる資金はそれを前提とした資金になります。
現代では、「ジャンク債」と呼ばれる投機色の強い債権が、資金供給の源になっているのですが、今やジャンク債全体の20%以上がエネルギー関連のようです。
ちなみに、2009年は9%ほどだったようですので、近年の伸びは著しかったのです。
このまま原油価格がバレルあたり50ドルを切るような価格で推移した場合、高利回りのジャンク債がデフォルト(債務不履行)を起こす可能性は大いにあります。
原油価格が下がることで、一般市民は大喜び。
でも、原油価格の下落からジャンク債のデフォルトという流れが起こると、金融機関の株価が急落することになります。
金融機関の窮地は、一般企業の株価下落を招きます。
株価下落は不景気を招くことはもちろんですが、急激にこれらの流れが起こった場合は、リーマンショックのような事態を招く可能性もあるわけです。
資源価格の下落は怖いですよ~。
既に、銅の価格は大幅な下落が始まってますし・・・。
おっと。これは内緒だった。
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