社長の独り言 2016/5/28
最大の判断ミス - たまに覗くから面白い!毎日見ないでぇ・・・飽きるから。。 -
投稿日時:2016/05/28(土) 10:32
今日は私の失敗談というか、過去の反省のお話です。
やはり日曜日は比較的落ち着いて、色んなことに考えを巡らせる時間があります。
今後の事業について考えるのはもちろん、過去の失敗について振り返ることもあります。
昨日の日曜日も、そんなことを考えている中で、番頭のスズシゲ君と何気なく話をしていた、過去の失敗の事が再び脳裏に蘇って来たのです。
創業当時から、各種輸出向きの中古商品を取り扱った仕事をして来ましたが、当時の業務内容と今では、内容が大きく異なります。
その中で過去に失敗しているのは、中古自転車の仕事です。
少なくとも創業当時は、中古自転車を手に入れたら、他業者に販売していました。
一度に手に入れることが出来る自転車は、せいぜい数台。
中古家電製品などと一緒に小さなトラックに積み、他業者に転売するという流れですね。
創業当時の、「第一段階」とでも呼びましょうか。
「他業者」は、自分たちより規模が大きな会社でしたが、自社で自転車をコンテナ積みしているような会社ではありませんでしたね。
私たちのような数台単位で持ち込んでくる業者の自転車を数十台単位に取りまとめ、自社でコンテナ積みをやっているような、より大規模な業者に転売していたと思います。
ヨセ屋さんというか、転売屋さんですね。
しばらく生業として中古品を扱っていると、自分たちの販売先は転売屋さんであること、流通の仕組みなどをはじめ、業界のことが多少は分かって来ました。
自転車の取扱台数が増えてきたこともあり、転売屋さんへの販売をやめ、自社でコンテナ積みをしているような業者に、数十台単位で販売するようになりました。
中間業者を通さないようになったわけですから、多少は販売価格が上昇し、収益も向上しました。
在庫とリスクは増大しますけどね。
まあ、これが第2段階です。
さらに取り扱い量が増えると、「自社でコンテナ積みをしよう」という事にしました。
トラックに数十台を載せて、自社でコンテナ積みをやっている業者まで輸送するのに比べて、輸送コストが削減できますし、販売価格もさらに上昇することになります。
これまで数十台単位で販売していた業者に、コンテナ単位で買ってもらうようにしたということですね。
これが第3段階。
当社が名古屋に出て2~3年目だったかな?
割と早い時点で、この段階まで到達していました。
この段階で、一旦ストップ・・・というか、実際にはバラ売りへと逆行することになります。
理由はですね、円高による商品価格の低迷など色々あるのですが、最終的には私の判断ミスです。
私は元々が脳天気ですし、過去の事を悔んだりしないのですが、この当時、「中古自転車事業の縮小」という判断をしたことは、過去10年間で最大の失敗かな・・・と思っています。
この私の判断ミスが無かったら、当社はもっと早く成長していただろうと思いますよ。
この判断ミスに至った最大の理由は、自転車コンテナ積みの肉体的なキツさだと思います。
コンテナ積みって、かなりキツイんです。
何事も、「初めて」というのは、中々うまくいかないものです。
初めての時は、中々うまくチ○コを入れられないように・・・。
当社が初めて自分たちで自転車をコンテナ積んだ時のことは、よく覚えています。
「どのようなものか?」を理解する為に、かなりの部分を私自身も積み込みしましたからね。
しかし指導者もいない中で、見よう見まねで、初めて積み込むものですから、開始から終了まで20時間くらいかかったかな?
朝から積みはじめて、終わったのは翌朝と言う感じでしたね。
そりゃ、キツいですわ。
このキツい仕事を、私が最年少というオッサンばかりの会社が継続するのは困難だと考えたんです。
そして、「こんなキツいことをしなくても、他に利益を上げることが出来る仕事がある」とも考えました。
これが「判断ミス」です。
諸事情を鑑みると、中古自転車という商材を主力商品、会社の屋台骨にしていくのが、経営的には最も好ましいという答えが、自分の中では出ていました。
にもかかわらず、違う判断を行ってしまいました。
え~とですね。
まず、「このキツイ仕事は、自社のオッサン達には困難だろう」という考え、これは経営者失格ですね。
確かにキツイので、オッサン達に無理をさせたくない。
でも、こういう考えは、「甘さ」なんですね。
この時、どういう判断をするべきだったか?
極端な話、キツイからやりたくない、出来ないなら、出来る人間に入れ替えれば良いんです。
まあこの当時、当社の報酬は非常に安かったですから、強行すれば既存スタッフの多くが辞めていたかもしれません。
そういう意味で、正解は「報酬引き上げとセットで、キツくても強行」だったのでしょう。
その案も頭にあったのですが、「こんなキツイ事をしなくても、他に利益を上げることが出来る仕事がある」という判断がありました。
「二重の判断ミス」ですね。
判断ミスというより、「驕り」に近いのでしょう。
この時の、「中古自転車を屋台骨にしない」という判断を行ってから、次に「貴金属含有スクラップを屋台骨にする」という判断を行うまでの約2年間、事業の方向性がハッキリしません。
鉄・非鉄スクラップもやる、中古品もやる、何でもやるのですが、何もかもが場当たり的で、明確な会社の方向性が定まっていませんでしたね。
結果、会社として伸び悩んだ時期ですし、「失われた2年」だったと思います。
今日は「判断ミス」をテーマにした話ですので、この後の会社の歴史的な話は割愛しますね。
今の仕事を始めてから、とても悔んでいる重大な判断ミスは、これくらいですね。
もちろん、小さな判断ミスは何度も何度もしているハズですが、元がノー天気なので、「その時点では最良の選択をした」と、軽く考えています。
早いもので、当社も9期目の会社です。
新規に参入、立ち上げた会社で、9年も10年も継続できる会社なんて、いったい全体の何%あります?
致命的な失敗、判断ミスをしていないという証拠・・・かな?
最後に大切な説明を。
「一旦、中古自転車を屋台骨にしないと判断したことが、なぜ失敗だったのか?」という、核心の話です。
残念ながら、中古自転車が儲かるから・・・という事ではありません。
各社それぞれ、置かれた状況やタイミングによって最良の選択というのは異なると思うんですね。
当社の場合、
1.当時、名古屋で中古自転車ビジネスを始めるのにタイミングが良かった。
2.名古屋郊外に、自社コンテナ積み可能な広いヤードがあった。
3.自転車を扱う信頼のおける仲間業者がおり、情報収集が容易であった。
4.販売先がすでに確保されていた。
その他にも色々な事情があるのですが、多くの「偶然」が重なって、まさに「自転車ビジネスをやるのに最適の状況」だったのです。
足りなかったのは、自転車をコンテナに積んで行くという単純作業のマンパワーだけ。
千載一遇のチャンスを逃したと言われても、しょうがないです。
とにかく時、場所、人など、いくつもの偶然が重なって、「あの時、自転車をストップしなければ良かった」という話です。
安易に「自転車をやろう!」なんて考えないほうが良いですよ。
たぶん、失敗しますから。
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