社長の独り言 2014/12/17
今の為替で収益は? - たまに覗くから面白い!毎日見ないでぇ・・・飽きるから。。 -
投稿日時:2014/12/17(水) 05:28
先日の九州出張の際、税込4,800円で相当豪華なホテルに宿泊したことを報告させていただきました。
税込4,800円という価格をドルに換算すると、1ドル120円計算なら40ドルになります。
「日本では、たった40ドルでこんなホテルに泊まれるのか!」ということを再認識したとき、私は強いショックを受けたのです。
私はよく、海外出張へ出かけます。
海外・・・と言っても、アジア諸国ばかりなのですが。
ま、だからこそ先進国へ出張に行っている訳ではありません。
当然、出張に出かけるとホテルに宿泊することになります。
私の感覚では、日本人のビジネス使用に耐えうる最低ラインのホテルって、一泊30ドル程度かなと思います。
立地、清潔さ、セキュリティ、ネット環境位がポイントになるでしょうか?
どれかを犠牲にしたり、贅沢したりすると、30ドルのラインから上下していくようなイメージですね。
したがって、私は20ドル位から40ドル位のホテルに宿泊した経験は、結構豊富なのです。
そんな中で、文句なしの最高峰だったですね。
あ、今日はホテルの話じゃありません。
たった40ドルで、素晴らしいホテルに泊まれるという為替の状況についてです。
長かった超円高時代が終焉を迎え、為替が円安方向に動き始めたのは、ちょうど今から2年前。
2年前の円・ドル為替って、1ドル70円台後半~80円台前半だったんです。
2年前が1ドル80円、現在が1ドル120円と計算すれば、その差は1.5倍。
「ドルが円に対して1.5倍になった」と表現すればよいのかな?
その影響を私たちの仕事で申し上げますね。
海外からの貴金属含有くず輸入事業は、仕入れ価格が1.5倍になりました。
1ドル80円時代、1キロ800円(10ドル)で仕入れていた商品は、現在では1キロ1,200円(10ドル)になった訳です。
ただし、産出物である金(ゴールド)などの金属価格も1.5倍になっています。
1ドル80円時代、1グラム4,000円(50ドル)だった金価格は、1グラム6,000円(50ドル)になるわけです。
仕入れは1.5倍になったけれど、売上も1.5倍になるから、収支はトントンになるんですね。
理屈の上では・・・。
実際には、国際的な金相場は2年前と比べて大きく下落しました。
2年前に1オンス=1,700ドルだったゴールドも、今や1オンス=1,200ドル程度。
金価格は、30%下落したわけです。
差し引きすると、約20%ほどしか日本円換算での金価格は上昇していませんので、それに見合った金額でしか仕入れることはできません。
海外からの仕入れであれば、金価格が下落していることを理由に、約30%値下げ交渉をして仕入れなければならないわけです。
コレ、結構難しいんですねえ・・・。
例えば韓国なんかはウォン高が進んでいますから、彼らは海外からの仕入れが安くなったという感覚を持っています。
すると、結構強気な価格で買いあさったりすることもあるようです。
韓国ウォン換算した金価格は下落しているわけですので、理屈には合わない行動なんです。
でも、「モノが安くなった」という感覚があると、後先考えずに動いてしまうようです。
そんな流れに巻き込まれるわけには行きませんから、今は遠巻きに眺めています。
私は学者じゃないのでうまく説明できませんが、人間って理にかなった動きをしませんし、経済や社会も理にかなった動きをしないんですねえ。
金相場が下落したために、為替が変動したけれど、思うように行かない話を書きましたが、相場が変わっていない商品もあるわけです。
例えば、中古自転車。
2年前の1ドル80円時代、1台800円で売れていた商品は、1ドル120円時代では1台1,200円で売れています。
最近、「自転車が上がってるね」と言われますが、為替をそのまま反映しているだけです。
スクラップなんかは資源相場が下落していますから、為替が変動してもその分を吸収してしまっていて、あまり円安のメリットを感じないようになっています。
その他の中古商品を輸出する事業に関しては、金属資源ほど大きな相場変動がありませんから、仕入価格と売上価格がバランスよく上昇していると思います。
それじゃ結局、利益は変わらないのか?
そこがよくわからんのですが・・・。
仮に仕入れと売上の変動幅が同じでも、製造経費というか、仕入から販売までに必要な費用が、ドルベースでは下がっているんです。
例えば、人件費。
時給800円というのは、2年前は時給10ドルだったけど、今は6.6ドルなわけです。
大幅にコストダウンした計算になりますね。
家賃なども、ドルベースでは大きく下落した計算になります。
電気代やガス代は上昇していますけど。
我々の場合、海外から輸入した資源を利用して加工貿易をやっているわけじゃありません。
国内に眠る再生資源を掘り起こして、海外へ輸出する訳です。
それなら、地面を掘れば石油が出てくる国と同様に、為替が変動してドルベースでの収入が増えれば、利益は自然に増大するはずじゃないの?
ドルベースでの製造原価が下がっているわけですから、ドルベースでの利益は大きくなるはずじゃないのかな?
う~ん。
そんなに儲かっているようにも思えませんねえ。
どこかに計算違いがあるのかな・・・。
2014年12月
<<前月 | 翌月>> |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
|