社長の独り言 2017/8/30
北朝鮮情勢の緊迫で円高進行 - たまに覗くから面白い!毎日見ないでぇ・・・飽きるから。。 -
投稿日時:2017/08/30(水) 05:52
すでにニュースをご覧になった方も多いと思いますが、為替が円高方向に振れています。
主たる要因として、北朝鮮による弾道ミサイル発射を受け、リスク回避のための円買いが進んでいる…という点が挙げられています。
実は私、「なぜ北朝鮮情勢が緊迫すると円買いが進むのか?」という点について、自分なりの理解というか、納得が出来ておりません。
多くの輸出企業関係者が一喜一憂する為替相場ですが、同じ思いを持っておられる方も多いのではないかと思います。
世界に類を見ない世襲制の独裁国家が、核と弾道ミサイルの開発を着々と進め、恫喝を繰り返しながら日本の領空やEEZを飛び越えて、実験を行っている。
有事となれば、大きな被害を受ける可能性が高い日本の通貨が、危機が高まるとリスク回避のために買われるなんて、普通に考えるとおかしいじゃない?
そんなことが現実に起きているのだから、「腑に落ちない」としか言いようがない。
もちろん簡単な理屈は、理解しています。
有事=北朝鮮と米国が戦争状態に陥ると、米国は国債を大量に発行して戦費を調達せざるを得ない。
すると国債の価値が下落し、金利が上昇してインフレ状態に陥る。
インフレ=米ドルの価値下落だから、価値下落リスクを回避するために、米ドル以外の通貨が買われる。
それで円高・ドル安が進む…という理屈です。
その仕組みは理解できるのですが、「なんで、円やねん!?」という点が、どうしても理解できないわけ。
マーケットは、米国と北朝鮮の間で戦争になっても、日本への影響は米国以下という想定なのか?
世界の評価は、そういうことなのか?
そこのところが、腑に落ちない。
もっとも、仕組みを理解していようが、理解できないでいようが、為替が円高に振れているのは現実なんで、その現実に対処する手立てを考えるしかないですね。
現在の当社は、純粋な輸出企業となっていますから、為替変動の影響は決して小さくありません。
実はさっそく、為替変動のシミュレーションをしてみました。
詳細は割愛しますが、
(1)1ドル=99円程度より円高になると、営業利益を計上できなくなる。
すなわち営業努力でカバーできる水準を超え、仕入価格や営業エリアの変更など、ビジネスモデルを抜本的に見直す必要に迫られる水準が1ドル=99円程度だということです。
(2)1ドル=87.6円より円高になると、中古自転車が逆有償になる水準となる。
1ドル=87.6円より円高になると、全ての自転車をゼロ円で回収しても、経費が売り上げを上回るため、日本では代金を請求した上で輸出して売り上げを計上しないといけない…ということです。
ここで疑問が出てくるのは、「安倍政権発足以前の1ドル=80円程度の超円高時代はどうしてたの?」という点です。
1ドル=80円の時代でも、逆有償になることはなく、日本の自転車輸出の事業は存続していたのだから、何とかなるんじゃないかということです。
ごもっとも。
今回の私の試算は、現在の販売価格をベースにしたものです。
円高進行=海外のバイヤーにとっては仕入価格上昇を理由に、海外での販売価格が上昇すると、試算した数値は変動します。
海外での販売価格上昇すれば、いくら円高になっても、やっていけますからね。
ただ、4~5年前とは、多少状況が異なります。
確かに円高進行=仕入価格上昇により、多少は海外での販売価格上昇の余地はあると思います。
状況が異なるのは、中国製の非常に安価…おそらく激しいダンピングが行われている新品自転車が、日本の中古自転車の競合相手になっている点です。
中国製の新品自転車が今のように安いままだと、日本の中古自転車の価格も上げられない。
現状でも、中国製の新品自転車より、日本から送られた中古自転車の方が高価であるケースもあるという事実を、何度か紹介させて頂いています。
ですので、為替の変動による価格変動の余地は、決して大きくないだろうと見込んでいます。
為替変動の影響全てを、販売価格には転嫁できないでしょう。
販売価格は現状維持…くらいの最悪のケースを想定しておいた方が良い。
そういう意味では、1ドル=100円のラインが生命線ですね。
これより円高になると、私は首を吊るための適当な場所を探しに行くかも知れません。(笑)
何はともあれ、円高進行の原因が北朝鮮にあるのだとすれば、あのクソ独裁者を早くブッ殺してしまえ!…という気持ちになります。
しかし米朝の緊張が高まると、さらに円高が進行する可能性もある。
そうすると自分がメシを食べられなくなりますから、「好きにミサイルでも何でも打たせておけ」という気持ちにもなる。
難しいものです。
個人的な見解ですが、米朝有事はあり得ると思っています。
米国は北朝鮮を自国の影響下に置く意思がないことを表明していますし、中国は、報復攻撃ならば米国が北朝鮮へ攻撃を行うことを容認するような発言をしています。
これらは北朝鮮に対するメッセージ的な意味が大きいでしょうが、徐々に軍事衝突の下地が作られているには違いない。
昨日のように、口だけの非難しかできない日本近辺へのミサイル発射なら問題ないでしょうが、グアム近辺へミサイルを撃ち込むと、米国の出方は分からない。
グアム近辺へミサイルを撃ち込む、あるいは再度の核実験などを行った時点で、韓国在留の米国人に退避命令を出し、それでも更なる挑発があれば、金正恩を排除するための行動が現実になる…という流れになるのかな?
米国も北朝鮮も、軍事衝突を望んでいないのが本音でしょうが、ボタンの掛け違い、読み違いがあると、朝鮮有事が現実のだろうと思っています。
物騒なことを言いますが、自分に火の粉が降りかからないなら、好きにして頂戴。
朝鮮有事で、首を吊らなければならないような事が起きるのは、勘弁して欲しい。
それが本音です。
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