社長の独り言 2017/5/15
ケツ拭き紙 - たまに覗くから面白い!毎日見ないでぇ・・・飽きるから。。 -
投稿日時:2017/05/15(月) 05:52
今日は小ネタを二つです。
金曜日から週末にかけて流れたニュースの中から、思うところがある話題をご紹介しますね。
13日の土曜日、仙台港近くのご同業・・・いや、今は同業でなくなりましたが、スクラップ屋さんのヤードで火事が発生したようです。
ニュースでは「スクラップの鉄くず燃える」というタイトルになっていましたが、鉄は燃えません(笑)ので、「金属くずに付着していた可燃物が燃えた」のでしょう。
金属くずを扱う仕事というのは、実は火災のリスクも小さくないのです。
外国人の中には、故意に火災を起こす連中もいると噂されますが、それくらい火災が発生するのが珍しくないのです。
私の経験の中でも、「危ない!」と感じたことが何度かあるのですが、やはり一番警戒すべきは「バッテリー」の類でしょうか。
金属くずの仕事に関わっている方なら常識ともいえることなんですが、バッテリーが発火することにより火災が発生するんです。
特に大きなリチウムイオン電池。
アレは本当に危ないね。
リチウムイオン電池が発火するのをはじめて見たときの感想ですが、まさに「爆発」という表現がピッタリでした。
「ボンッ!!」
爆発音とともに一瞬だけ炎が舞い上がって、「爆弾でも落ちてきたか!?」と思うほどです。
私は子供の頃、プラモデル用のシンナーが入った瓶を火炎瓶にして投げつけて遊んだことがあります。
シンナーじゃ爆発しないので、ガソリンを少量入れて試したところ、想像以上の大きな爆発になったのでビビった経験があります。
リチウムイオン電池が爆発するのを見たとき、まさに同じ衝撃を受けました。
自分の想像を超える、大きな爆発です。
意外と簡単に爆発するんですよ。
ユンボやフォークリフトなんかで、強い衝撃が加わっただけで爆発します。
一般社会では「ユンボやフォークリフトで衝撃が加わる」ことなんて滅多にないでしょうが、スクラップ屋さんでは当たり前ですからね。
扱っているのは金属くずですから、周りに可燃物が無ければ「ビックリした!」で済みます。
しかし可燃物が付着した金属くずが近くにあると、大変なことになるんです。
「可燃物が付着した金属くず」って何だ?
例えば、ガソリンが少量残存している草刈り機のスクラップ。
怖いね~。
中華料理屋を解体した際に出る金属くずなんかも、大量の油が付着してますよ。
何となく分かるでしょ?
「金属くず」と言っても、ダストとして可燃物が付着していることは珍しくないのです。
そのような金属くずと、リチウムイオン電池の組み合わせは最悪・・・ということです。
火災が発生するとスクラップ屋さんが叩かれます。
しかしどんなに注意していても、「100%」は無理なんです。
金属スクラップ屋さんにスクラップを持ち込む人は、「バッテリー・電池」の危険性を十分に理解して、決して金属くずに混ぜないようにしてくださいね。
少しでも火災のリスクを減らすには、それしか方法が無いんで。
さて、もう一つの小ネタです。
プロ野球の広島東洋カープに所属する、ブラッド・エルドレッド外野手に関するニュースが出ていました。
彼がママチャリに乗って広島市内を走り回っているのは有名で、5月12日金曜日、雨のために試合中止になった日も、「ママチャリに雨合羽」というスタイルで球場を後にしたとのこと。
ちなみにエルドレッド選手が乗っている自転車は、画像のようなタイプでした。
前後に子供を2人乗せることが出来る、電動アシスト付きの自転車です。
われわれ業界人(?)は、画像のような自転車を「ママチャリ」と呼びません。
業界的に「ママチャリ」と呼ぶのは、子供を2人乗せることが出来ず、電動アシストも付いていない自転車のことを指します。
こういうオーソドックスなタイプね。
まあ「ママが乗る」という意味では間違いじゃないし、呼び方なんてどうでもいいですね。
とにかく、電動アシスト付きの子供を前後に2人乗せることが出来る自転車を、エルドレッド選手は愛用しているようです。
この自転車、本当に素晴らしいものが多いです。
普通の自転車と違って、電動アシスト付きだからとても楽だし、子供を乗せても安定的に走れるよう、本当に良く計算されている。
ほとんどが日本の一流メーカー製でとても高価なのですが、使用されている部品も素晴らしい。
だから電動アシストを使わなくても、安物の中国製の普通のママチャリより、はるかに軽快かつ安全に走ることが出来ます。
なぜこんなことを書いているかといいますと、最近は電動アシスト自転車においても、中国製の安かろう、悪かろうの自転車が通販で売られているのです。
自転車を扱う会社ではなく、単なる貿易屋が中国からクソ自転車を輸入して、それを通販で売っているものです。
電動アシスト付き自転車でも、39,800円くらいから売っていますから、日本メーカー製の半値以下のこともありますね。
まあ今のところ、「安かろう悪かろう」の典型例。
より正確に言えば、「安物買いの銭失い」の典型例。
何が違うかって?
全てが違います。
「とりあえず、見よう見まねで作ってみました・・・」というレベルの自転車。
ウチは中古自転車の貿易屋ですから、自転車の新車販売店とは少し違う目線で自転車を見ます。
私が最重視することは、「良い工業製品であるか?」です。
色やデザインなんてどうでも良い。
「これが日本の工業製品(中古)じゃあ!」と、胸を張って売れる自転車が、当社にとっての良い自転車。
その目線で「アレだけは買わない方が良い」と思うのが、「チャイナの格安電動アシスト付き自転車」。
ちなみに通販だけで売っているやつのことです。
自転車屋さんで売っているものなら、多分大丈夫。
昔と違って、今は価格競争も激しいですから、世の中のほとんどの製品は価格相応か、モヤシや豆腐のように「安すぎる」かのどちらかです。
自転車のような工業製品の場合、価格の差が「性能、耐久性、安全性」などの差になっているように感じます。
よく考えてみなさいよ。
いくら安いからって、チャイナのクルマ(自動車)を買いますか?
怖いから買わないでしょ?
一応は鉄板で四方を囲まれた自動車でも買わないのに、生身の体をむき出しで走る自転車を買いますか。
そりゃあ勇気がありますなあ。
子供を前後に乗せることが出来る電動アシスト自転車なら、もっと怖い。
一家心中でもするつもりですか?
そんな風に思ってますよ。
今日は小ネタの二連発でしたが、実は週末に一番気になっていたニュースは、本日の文中でも触れましたが、「モヤシや豆腐が安すぎる」というニュースでした。
確かにモヤシや豆腐は安すぎますよね。
モヤシ一袋10円とか、豆腐一丁30円とか、広告の品とか赤字覚悟の目玉商品であっても安すぎる。
こんな価格じゃ生産業者は事業として存続できないですよね。
で、業界が足並みをそろえて安売りをしないようにしようとすると、公正取引委員会に「カルテル」でやられる。
「そんなアホな」と言いたくなりますが、それが現実です。
そんなニュースを見ていると、「じゃあ我々の業界は?」と思うのです。
当社のような会社は「ケツ拭き紙」と同じでして、重要視されることはないのですが、今の日本社会にとって無いと困る。
「ケツ拭き紙」が無くならないように、ちょっと考えてみたい。
中古自転車の輸出商という仕事は、各種法令を順守した水準で成り立つのか?
つまるところ、そういう話になると思います。
近いうちに検証しようっと。
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