社長の独り言 2017/11/6
回復状況と懺悔 - たまに覗くから面白い!毎日見ないでぇ・・・飽きるから。。 -
投稿日時:2017/11/06(月) 06:08
私が網膜剥離の手術を受けてから、一か月以上が経過しました。
手術日時点では、左目の視界のほとんどが真っ暗闇という状態だったのですが、手術のおかげで、今は一部を除いて視界が戻っています。
「一部を除いて」と申しますのは、一番最初に見えなくなった視界の下の方に関しては、一部見えない場所が残っているのです。
網膜剥離が原因で、ボクサーが引退する…なんて話をよく聞きますが、今の私からすれば、「そりゃあ、そうだろう」と感じます。
左下からアッパーでも飛んで来たら、見えないから避けられない。
気合とか根性の問題ではなく、決定的にボクサーとしての能力が低下するだろう思います。
少なくとも今の私の場合、視野の一部が欠損しているだけでなく、視力自体も弱っていますから、片目だけコンタクトレンズを入れてあり、片目は裸眼で見ているようなアンバランスな状態です。
半年とか一年とか、長い年月のうちに徐々にマシになるようですが…。
分かりやすいように説明しますね。
まずは、正常な右目で見た風景は、下のような感じです。

正常な私の右目では、こんな景色が見えています。
場所は、名鉄金山駅の中央改札口。今が12時45分で、電車の発車時刻案内板なども見えます。
何やら特設ブースの売店が右側にあり、今日が最終日のようですね。
駅の上の階には、ドトールや300円ショップ(?)なども見えます。
皆さんには当たり前に見える光景です。
一方、網膜剥離の手術を受けた私の左目では、下のような景色に見えます。

視界に霧がかかっている上に、モノが歪んで見えています。
人が歩いて来ているとか、売店のブースがあるとか、大まかなことは分かるのですが、文字が非常に見にくいですね。
辛うじて読み取れるのは、大きな文字で書いてある「金山駅」という文字くらい。
自分は金山駅にいること、向こうから人が歩いて来ていること、右には売店のブースがあることは理解できるのですが、電車の出発時間、歩いてくる人の表情、売店で何を売っているのかなど、詳細な情報は読み取ることが出来ません。
視野の一部が欠損していることを画像で表現されていませんが、真正面を見ている時には視野が欠損しているようには見えません。
目線を上に向けたとき、視界の下部が欠損しているように見えるだけですので、画像の上では表現しませんでした。
まあこんな感じですから、右目は正常であるとはいえ、両目を使って歩いていても、細かい文字なんかはとても見にくいですし、疲れるので無意識に見ないようにしている感じです。
日常生活に大きな支障はないものの、やはり「見にくい」という現実は色々な面で影響を与えているように感じます。
先日、こんなことがありました。
先月末、海外出張を終えて成田空港に到着した私は、空港内のコンビニで朝食を買い求めようとしていました。
狭い店内に多国籍の大勢の客がいますから、店内は結構な混雑ぶりです。
私は、おにぎりを一個だけ買い求めようとしていたのですが、おにぎりを取ろうとする私の行く手には、大きなリュックサックを背負ったオッサンが立ちはだかり、中々前へ進むことが出来ません。
電車の中でもコンビニでもよく見かけるのですが、大きなリュックサックを背負ったままウロウロしている奴は、本当に鬱陶しい。
「邪魔にならないよう、手でリュックサックを持て!」と言いたいところですが、いちいち相手をしていたらキリがないので、移動してくれるのを待ちます。
しかしオッサンは、中々移動しない。
見ると手に缶ビールとチューハイを一本ずつ持ち、おつまみを物色しているようです。
午前7時なんですけどね…。
業を煮やした私は、リュックサックのせいで狭くなった通路の隙間をすり抜け、何とかおにぎりを取ろうとしました。
その時、意外なことにオッサンはリュックサックを使って、わざと私をガードして進路を塞ぎました。
「それ、わざとじゃなくて偶然じゃない?」
そう思われる方も多いでしょう。
私も最初は、偶然だと思ったんです。
しかし、その後のオッサンのセリフを聞いて、故意であると確信しました。
「アッチから一方通行って書いてあるだろ!読めねえのか!?」
なるほど。
一方通行から逆行するような形で、おにぎりに手を伸ばそうとする私を食い止めるため、オッサンは私を故意にブロックしたらしい。
すぐに事態を理解することが出来ました。
え~と。
誤解を招くかも知りませんが、私はこのオッサンのような思想の持ち主が大嫌い。
自分の正義を貫くため、自信満々でクソ偉そうに説教をたれる人間を見ると、無条件に反発します。
理屈じゃなくなるのです。
人にモノを言う時には、口の利き方に気を付けろよ…ということです。
その他、首都圏ではこの手の人間が非常に多いことに苛立ちを感じています。
わざとぶつかってくる人間とか、わざと邪魔をする人間など、とにかく陰湿なやり口の人間が非常に目に付く。
こいつら、こっちが大人しくしていると思ってるのか?
アホか?
当たり前ですが、私は放ってはおきません。
「コラ!ちょっと待たんかい。ボケ!」
話し合いのスタートですね。
話せば長くなるので詳細は割愛しますが、オッサンを円満につまみ出し、おにぎりを一個購入。
個人的な見解ですが、この手の偉そうな物言いをする方は、想定外の反撃に会うと、驚いて委縮する可能性が極めて高い。
根が小心だから、大きな態度に出るんでしょうね。
さて、私は腹立ちまぎれにこんなことを書いている訳でも、武勇伝を書いている訳でもありません。
後から冷静に考えると、「ちょっと沸点が低かったんじゃないか?」という反省が頭をよぎるのです。
「なぜあの程度のことで、カチンと来たのだろうか?」
そんな反省を自分で開始しました。
争いや揉め事を起こして、得することは何もありません。
下手をすれば、大きな損失を招く可能性もあります。
「金持ち、ケンカせず」と言うじゃありませんか。
私は決して金持ちじゃないけれど…。
そんな訳で、自己分析を始めました。
なぜ、私はあの程度で「怒り」の感情を持ったのか?
わざとリュックで進路を塞がれたから?
偉そうな物言いをされたから?
朝から酒を飲むようなオッサンが相手だったから?
陰湿なやり口の人間が多いことが不満?
色々と考えたのですが、どうもピンと来ない。
普段の私なら、揉め事を避けるために、やんわりと嫌味の一つや二つを返すだけで済ませたハズ。
「そうですか。それは失礼。でもあなたも他人にルールを説くなら、口の利き方と自分にルール違反が無いか、足元をよく見なさいよ」
そんな感じで済ませたと思うのですが…。
1時間くらいの間、自己分析を行った結果、ようやく気付きました。
「読めねえのか!?」
オッサンのその一言に、プッツンしちゃったんですね。
正確に言うと、読めないんじゃなくて「見えない」んですが、オッサンに言われる前も、言われた後も、店内が一方通行であるという、注意書きも矢印も、私の眼には入っていません。
「見えない」という現実に対して、私なりにかなりストレスを感じているのですが、オッサンの指摘は私の図星だったんですね~。
人間、図星を指されると怒りだす…と申します。
見えない、読めないという図星を指されて、私は怒りだしたのでしょう。
参ったなあ…。
図星を指されて怒りだすようでは、人間として未熟としか言いようがありません。
その点は、深く反省です。
あのオッサンに対して、申し訳ないという気持ちはありませんが。(笑)
ヘンなエピソードですが、これは視力低下の影響だと思っています。
「その程度」という考え方もできますが。
こうやってパソコンへの文字入力も出来るし、書類の文字も読める。
遠近感がつかみにくいので、まだクルマの運転は近場の銀行やスーパーへ行く程度にしており、トラックに乗ったり高速道路を走るようなことはしていません。
今後、「読めねえのか!?」 「見えねえのか!?」という言葉を投げかけられても、乱暴な言動を繰り返さないように、イメージトレーニングも行いました。
「見えない」「読めない」と、事実だけを手短に答えることにしましたので、もう怒ることもありません。多分。
今の率直な心境としては、人生最初の入院・手術が、心筋梗塞・がん・脳卒中といった、重大な疾病で無かったことに感謝しています。
病気前よりも考え方がシビアになりましたし、一日一日を生きる真剣さも増したように思います。
半年程度の期間、現場仕事を自重しなければいけない以外は、何の問題もありませんので、遠慮なく何なりと申し付けてくださいね。
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