社長の独り言 2016/7/20
積載台数が収益に与える影響 - たまに覗くから面白い!毎日見ないでぇ・・・飽きるから。。 -
投稿日時:2016/07/20(水) 05:28
最初にお詫びから。
7月15日にママチャリの買取価格を1,200円/台から1,100円/台に引き下げ、その際に「このままなら、8月には1,000円/台に引き下げる」と予告しました。
その話ですが、訂正いたします。
引き下げをやめて、元の価格に戻す・・・という話なら良いのですが、残念です。
前倒しで、本日7月20日より即日1,000円/台に変更させて頂きます。
「舌の根の乾かぬ内に」とは、まさにこのこと。
「7月中は1,100円で頑張る・・・」とまで書いていたのに、わずか5日で辛抱できずに変更することになりました。
理由はシンプルでしてね。
1,100円/台に引き下げても、アホみたいに依頼がやって来る。
ここで言う「アホみたいに」とは、「非常に多くの」、「馬鹿馬鹿しくなるくらい多くの」という意味です。
数百台単位であったり、自転車をコンテナ単位で買って欲しい・・・という依頼が非常に多いため、これ以上、採算割れの危険すらある価格で買えないというのが現状です。
この暑い中、超薄利で仕事をするまでは辛抱しても、赤字を出してまで仕事することは出来ません・・・。
中国人じゃないんだから。
7月15日までに、仲間業者からコンテナ単位で買った自転車だけで、約3,000台。
1コンテナあたり数万円の利益だから、輸出検査でX線検査を命じられただけでも、利益はパー。
請求書と比べて実際の積込台数が少し少なかったり、積み込んだ自転車の種類に間違いがあっても、利益が無くなる。
品質が悪い自転車が多く積まれていた時には、利益パーどころか、即赤字転落。
そんな綱渡りを、これ以上続けることに意味がない。
ということで、まずは自分の身を守ることにいたしました。
ちなみに7月に多くの自転車コンテナを買った会社ですが、中古自転車ビジネスに関わる人ならば、多くの人が知っているような有名企業(?)もあります。
取扱数量が多いのでバイヤー連中に有名ということもあるのですが、中古自転車の買い取りを行っている他社と張り合って、高値で買い取ることでも有名な会社です。
その会社も、現在は一台1,000円での買い取りです。
そりゃそうだ。
ここしばらく、その会社が出荷する自転車コンテナの全てを、ウチが買っているんだから。
ウチ以上の値段で買える訳がない。
赤字覚悟でなければ。
お詫びしないといけない立場なのに、偉そうなことを書いて申し訳ありません。
もう一回、謝っとこ。
すいませんでした~!
さて今日の本論は、中古自転車貿易の業界内部の話でも書きましょうかね。
最近業界では、積載台数を厳しく指定されることが多くなっています。
「1コンテナに600台以上入れること」などという条件が付いてくるんですね。
40ftコンテナに、何台の自転車を入れることが出来るか、みなさん知っていますか?
大人用自転車ばかりを積み込んだ場合、慣れない人が積むと500台を積むことが難しいと思います。
ウチも初めてコンテナ積みをやった時は、490台くらいしか積めなかったんじゃないかな?
大体、そんなものだと思いますよ。
それを、600台積めと。
最近では、そのくらいを要求されることがほとんどです。
600台積むことを前提に、価格が決まって行くんですね。
理由は、輸送コストと税金コストを削減するためです。
500台積みでも、600台積みでも、輸送費は同じですよね?
税金に関しては送り先の国によって事情が異なりますが、多くの国では「1台いくら」じゃなく、「1コンテナいくら」という方式が採用されています。
もっとも、それは税金じゃなくワイロだという噂もありますが、ウチは外国の港に商品を到着させるまでが仕事ですから、外国の国内事情にはタッチしていませんので、知りませ~ん。
とにかく積載台数に関わらず諸経費は一定ですから、「より多く積め」という要求が来るわけです。
積載台数の変化によって、どれだけ収益に影響があるか?
今日はサービスで、それを教えちゃいましょう。
さすがに具体的な国名は勘弁していただきますが・・・。
まず、日本国内のコンテナ積み込み場所から、送り先国で自転車を積み下ろすまでの諸経費合計が、1コンテナあたり6,985ドルです。
輸送費、税金、相手先国での人件費まで、全てを加味した諸経費です。
これを500台で割ると、1台あたり13.97ドルの諸経費になります。
1ドル=100円とすると、1,397円ですね。
ちなみに600台で割ると、11.64ドルですから、同じく1ドル=100円で計算すると、1,164円になります。
1コンテナに600台積めば、1台あたりのコストは1,164円で済む。
1コンテナに500台しか積めないと、1台あたりのコストは1,397円になる。
その差額、実に1台あたり234円にもなります。
そりゃ、「1台でも多く積め!」という話になりますわな。
この薄利の時代に、1台あたり200円以上もの差額を、利益で穴埋め出来ませんもの。
だからこそ、弊社の自社積込で「500台しか積めませんでした~」なんて涼しい顔をして報告されたら、キレます。
同じことを何度も繰り返すなら、容赦なくスタッフの入れ替えをしなければならないくらい、切実な話です。
給与取りの皆さんは、イマイチ現実味がないようですが・・・。
コンテナ単位で買う場合も、積込台数が少なかったら、ペナルティを取らなければなりません。
先述の通り、1コンテナあたり数万円の利益見込みでやっているのに、積載台数が少ないことにより10万円単位で計算違いを出されたら、「カネ返せ!」としか言いようがありません。
実は気心の知れた仲間業者からコンテナ単位で買う場合、以前から「積載台数によって支払金額を変える」というやり方を行って来ました。
「ギリギリの値段で買うけど、責任は自分で取れよ!?」というやり方ですね。
だって気心の知れた仲間から、「ペナルティ」とか請求できないもの。
諸経費から当社の手数料まで明示して計算しますので、もしニーズがあれば、この方法で取引させて頂きます。
とにかく、「積載台数」が買取価格であったり、利益に与える影響は、非常に大きいということです。

画像は、昨日弊社で積み込んだコンテナの画像です。
隙間なく、「1台でも多く」の気持ちで積み込まれているなと感じます。
輸送コストの削減が、最終的には買取価格のアップにつながりますので、懸命にやらせて頂いております。
でも、これ以上は無理。
通常1コンテナに600台の積み込みのところを、涙ぐましい努力の結果で610台積み込めるようになっても、700台は物理的に無理なんです。
もう限界。
買取価格を引き下げるという方法は、関係各位の生活にも直結する大きな問題ですから、最後の手段だということは理解しております。
販売先との交渉により販売価格をアップさせ、経費節減もギリギリまでやった。
手前味噌ですが、「もう残された道は仕入価格の引き下げしかない」という状況ですから、胸を張って(?)引き下げさせて頂きますわ。
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