社長の独り言 2016/6/6
海外取引に潜むリスク その2 災難 - たまに覗くから面白い!毎日見ないでぇ・・・飽きるから。。 -
投稿日時:2016/06/06(月) 05:27
前回のブログでは、日本の法令改正により「コンテナの重量を正確に計量しなければならなくなった」ということを書かせていただきました。
また、ついでに「ベトナムに中古製品輸出が出来なくなるかも?」という余談も書かせていただいたのですが、実はそちらのほうが本編だったかもしれませんね。
今日は「海外取引に潜むリスク」というお話自体の本編になるかもしれません。
実は5月30日、当社取引先である東南アジア某国の社長が逝去されました。
5月のゴールデンウィークを利用して海外出張に出た際にも、2回ほど会って商談を行ったばかりですので、正直ショックを隠すことが出来ません。


画像は、5月中旬にやり取りしていたメールの画像です。
「次のコンテナには、このバイクを入れてよ」というメールでした。
彼との最後のやり取りですね。
今回亡くなった方は、まだ新婚の若い男性でした。
事故死・・・だと聞きました。
私より一回り以上若い人間ですので、まさか死ぬなんて夢にも思わない。
しかし人間の未来なんて誰にも分かりません。
「明日がある」なんてことは考えずに、今日一日を精一杯生きていくしかないのだな・・・と、改めて教えられたような気がします。
さて、今日は「海外取引に潜むリスク」というのがテーマです。
もうお分かりいただけたと思いますが、「取引先の社長が、急に死んだらどうするの?」というのも、海外取引に潜む大きな問題です。
社長が死んでも、会社組織自体は盤石・・・という大企業はいいですよ。
でも取引先が、そんな会社であるケースは滅多にありません。
日本でも、中小零細企業の社長が急逝したら、大混乱に陥るだけならまだマシ。
事業継続が困難になる会社も少なくないでしょう。
発展途上国においては、言うまでもありません。
ちなみに弊社ですが、かなりリスクヘッジが進んでいます。
私は元々、生命保険会社での勤務経験がありますから、死亡リスクへの意識が高いので、事業承継に向けた対策がかなり進んでいます。
要するに、私が病死しても会社の借入金等は保険金で大部分が賄えるし、海外出張中に事故死でもしようものなら、嫁は万歳三唱でもしかねないくらいな状況・・・という事です。
また、「自分一人で仕事を抱え込むのは、悪」という、大きな組織で得た習性がありますから、私がいなくとも会社は回ります。
毎月毎月、私が約一週間の海外出張に出ていても、会社は何も困ることなく、通常営業しているのが何よりの証拠。
良く言えば、権限移譲が進み、組織だった業務が行われている。
悪く言えば、社長は何でも仕事を丸投げ。
社長急死の影響といえば、このブログが更新されなくなる事くらいですわ。
まあ、そういうことです。
話が逸れました。
これまで私は、海外との取引の際は、かなり慎重にコトを進めてきたつもりです。
一番の関心事は、「代金を間違いなく回収できるか」という点であることは間違いありません。
相手の会社の経営状況、社長の人間性などを自分の目で確認し、ベロンベロンになるまで酒を飲ませて、本音を引き出す。
担保・・・とまでは行きませんが、もしも相手が逃げた場合でも、日本在住者で追い込みをかける先があるかという点も必須です。
それらをクリアした相手だけ、最初は少額からの取引で相手の反応をうかがい、支払いや期日に関する意識がルーズな人間は排除していくなどの方法を取ります。
自分では、かなり慎重にやっていると思っています。
正直、20歳代の若者が突然死ぬ・・・なんてことは想定外でした。
理屈上は想定しなければならないことなんでしょうけど、現実問題として、どこかで線引きしないとリスクなんてキリが無いですから。
「コイツが明日、車にはねられて死んだらどうする?」とまで考えて取引するのは、正直これからも難しいですね・・・。
でも、「夢にも思わなかった」では済まされない。
済まされないんですけど、売掛金の回収はどうする?
突然、新婚の夫を失って悲嘆に暮れている、奨学金で日本留学中の奥さんに請求するか?
奨学金の留学生に、すぐ払えるとは思えない。
払えなかったら、ソープにでも沈めるか?
出来ないよねえ。
ああ、売掛金回収の話は、あくまで例え話ですよ。例え話。
もし日本で車にひかれて交通事故死したなら、最低でも保険金などが出ます。
状況によっては、慰謝料、補償金も。
人がこの世から消える代わりに、多少なりともカネの形で残りますから、リスクは小さい訳です。
しかい発展途上国では、そういう訳には行きません。
海外取引には、国内取引以上に、色んなリスクが潜んでいる・・・。
改めて、その事実を思い知らされました。
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