業績悪化のの主な原因は、「資源ビジネス」なんだとか。
「総合商社」を名乗る以上、資源でも何でも、あらゆる商品がビジネスの対象になるのでしょうが、下手を打ったものですね。
ヘタ打ちの典型的な例を、チリでの銅鉱山開発に見ることが出来るようです。
現在より銅価格がはるかに高値を付けた2011から12年頃ごろに、三菱商事、三井物産が競うように参画しました。
結果、銅価格の下落により、2社合計ではなんと3,700億円もの減損を迫られたようです。
物産の社長のコメントとして伝えられている内容が、かなりイカれています。
「当時に想定していた価格とは、圧倒的に変わってしまった」
物産トップのコメントが正しく伝えられたものなのかどうかは知る由もありませんが、本気でそう考えていたなら、かなり痛い人。
時代を見る目が無いとしか言いようが無いですね。
巨大総合商社のトップだから、そんな呑気なことを言っていられますが、ウチみたいな零細商社のトップだったら、今頃首吊りですよ?
大企業のトップとしての能力は知りませんが、少なくとも零細企業のトップとしての能力は無いと言える例でしょう。
大きな組織の場合、多少の失敗をリカバリー出来る資金力その他のパワーを持っています。
一方、零細企業の場合は一発の失敗で終わりですから。
何で総合商社が資源ビジネスに傾倒していったのか?
私が勝手に想像するに、資源ビジネスは業績、成績の伸びをアピールするのに手っ取り早かったのではないかと思います。
会社に所属する全ての人間は、何か目立った結果を残すことにより、上を目指さなければなりません。
どうやって結果を残そうかと皆考えるわけでして、その選択肢の一つとして、「資源ビジネス」があります。
資源ビジネスは、勝負が早く、ハイリターンも望めるという特徴があると思います。
サラリーマン的(?)発想だと、資源確保とか安定供給とか、大義名分を言い立てやすいという特徴もあるかな。
しかし、最大の特徴は「バクチ」であるということです。
資源ビジネスに参加しているプレーヤーたちは、大なり小なり、「上がるか、下がるか」の丁半バクチをやっています。
私らはね、自分の命をかけて丁半バクチをやっているんです。
しかし総合商社の人間の大部分は、単なる給与取りです。
失敗しても、最大で会社を去るという形で終わりですから、プレーヤーの本気度は落ちますわな。
自分のカネを動かすわけでは無いので、リスクに対する意識がどうしても低くなってしまいます。
資源ビジネスって、底なし沼みたいなものですから際限がありません。
手っ取り早く業績が上がる(上がったように見える)という面がありますから、「何か結果を出したい」と考える人に利用されやすいでしょうね。
当ブログをお読みいただいている方は、資源ビジネスって「バクチだな」とか、「よほど気をつけないと」という意識を持っておられると思います。
失敗談も満載ですので。
弊社が「100万円損した!」ということがあるとすれば、総合商社は「100億円損した!」というくらい、投下する資本に差があるわけです。
そんな大金を、「己の出世のために、イチかバチか」で投下されては堪りませんね。
よほど慎重に扱わないと、資源ビジネスは、
「給与取りが、会社の金で無責任に遊ぶ博打」
になると思います。
資源ビジネスのことも、サラリーマン心理も、両方を多少は理解できる者としての感想です。
社長の独り言 2016/4/22
総合商社の資源ビジネス - たまに覗くから面白い!毎日見ないでぇ・・・飽きるから。。 -
投稿日時:2016/04/22(金) 05:25
総合商社の大手5社が2016年3月期に計上する減損損失の合計は、1兆円規模となる見通しのようです。
2016年4月
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