社長の独り言 2016/11/16
銅相場急騰と弊社の選択 - たまに覗くから面白い!毎日見ないでぇ・・・飽きるから。。 -
投稿日時:2016/11/16(水) 07:11
金属スクラップに携わっている方なら良くご存じでしょうが、銅相場の値上がりがハンパじゃありません。
銅建値で申しますと、先月(2016年10月)末時点での国内銅建値は、53万円でした。
それが11月1日55万円、7日56万円と徐々に上昇し、米大統領選挙後の10日には一気に62万円まで上昇。
そろそろ反転するかと思いきや、15日に再度引き上げられて65万円。
先月末の53万円から、わずか二週間ほどで65万円へと20%以上もの値上がりです。
銅在庫をたんまり持っていらっしゃる御仁は、笑いが止まらないことでしょう。
ちなみにウチは、現在銅在庫をほとんど持っていません。
かつてはそれなりの在庫を持っていたのですが、今は銅の在庫が中古自転車あるいは中古バイクや中古車に変わってしまっています。
だから銅相場が上がったからと言って、何も嬉しいことは無いのです。
当社ホームページ(トップページ)を見ていただくと、当社は11月より「鉄・非鉄金属スクラップの取扱を終了しました。」と明記しております。
会社名は「ざっぴん」なのに、雑品(雑スクラップ)をはじめとした、鉄・非鉄金属スクラップの取り扱いを中止するという暴挙(?)に出たのです。
ややこしいことは申しませんが、とにかく「やってられるか!」ということで中止です。
もっとも非鉄金属スクラップでの上得意・・・と言って良いお客さんもいる訳ですが、それらの仕事については引き続き継続です。
長いお付き合いですし、金属相場が悪い時でも、それなりに利益を出させて頂いています。
わざわざお断りする必要は無いですから。
「鉄・非鉄金属スクラップの取り扱いを中止する」という言葉をより正確に説明するならば、「価格競争で超薄利になるような取引は一切しない。他所へどうぞ。」
そういうことです。
また、「海外貿易における取扱商品は、自転車のみとします」とも記載しております。
これは「家電、PC、農機具などの中古の買取を中止します」という意味ですね。
ウチも本当に色々な中古商品を取り扱ってきましたが、どれも似たり寄ったりでしてね。
「似たり寄ったり」というのは、どれも大して儲からないということです。
大して儲からないからこそ、様々なアイテムを取り扱っているのですが、少々発想を転換しようと考えたのです。
簡単に言えば、少量多品種で利益を上げるのではなく、大量少品種で商売しようということですね。
こういう仕事をしていると、本当に色々な引き合いが来ます。
「これ、金属くずとして売れる?」とか、「これ、海外で売れない?」という類の引き合いです。
そういう課題に対応することが、仕事の面白みでもあるし、新しい商材や販路の開拓に繋がっていくのですが、ほとんどの場合、苦労が報われるような類の仕事ではありません。
面白そうな話や、儲かりそうな話なら乗りますが、家電、PC、ゲーム、農機具などの腐りかけのネタは要らない・・・ということです。
それで「中古自転車のみ」というのが大本営発表です。
その中古自転車も、買取は中止です。
これは「鉄・非鉄金属スクラップの取扱を中止」という表現と似た運用です。
わざわざ高い値段で買わなくても、無料あるいは適正利益が出せる水準の価格で、商品が手に入る情勢です。
あっちが高い、こっちが安い・・・という類の土俵の上で、勝負するのはやめる。
そういう意味です。
中古自転車という商材は急成長し、現在一か月に約1万台を取り扱っています。
中古自転車という商材は急成長し、現在一か月に約1万台を取り扱っています。
今のところ、高値を出してまで取扱量を拡大する必要は無いとの判断です。
私にとっては思い切った決断なのですが、何度か当ブログでも申し上げております「選択と集中」の結果です。
小さな会社が持つ、限られた資金、人員、設備などの経営資源をどう活用するか?という問題に、曲がりなりにも経営者として、いつも向き合っています。
さんざん悩みましたが答はシンプルで、
1.同業他社と比べて、比較的優位な立場にある
2.新規参入が簡単ではない
3.商品の将来性
この3点に絞って商材を検討したところ、「中古自転車と貴金属含有スクラップ」という結論に達したのです。
すでに以前から感じていたことですから、鉄・非鉄金属スクラップや自転車以外の中古商品は、少しずつ終息に向かわせていました。
ホームページから価格表を削除したり、ブログの話題に取り上げなくなったりと、さりげなく方向性を示すようには心掛けてきたつもりです。
今回、正式にそれを実行したまでですね。
そりゃあ悩みました。
情勢の変化に対応するため、多くのアイテムがあった方が良いのではないか?とか、会社の名前がざっぴんなのに・・・とか、本当に色々な考えが頭をよぎります。
しかしまあ、自転車と貴金属屑くらい情勢の変化に強いアイテムは、今の所ほかにない・・・との思いで決断したのです。
会社の名前が気に入らなければ、替えりゃあ良いだけの話。
そこまで開き直って実行した今回の事業選択ですが、ウチが「や~めた」と宣言するのと、ほぼ同時に今回の銅相場急騰です。
皮肉なものですが、後悔はない!
・・・ということにしておきますね。
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