社長の独り言 2013/12/5
事件は繰り返される - たまに覗くから面白い!毎日見ないでぇ・・・飽きるから。。 -
投稿日時:2013/12/05(木) 06:47
広島県で44歳の長男を殺害したとして父親が逮捕されました。
親が子供を殺す、あるいは逆に子供が親を殺すといった類のニュースは、最近では珍しいものでは無くなってきたような気がします。
「またか」というのが、正直なところかもしれません。
しかし、今回の広島県での事件もそうなのですが、特別な事情があるケースが多いように思います。
父親は、「息子(44歳)に“殺してくれ”と言われた。自分(70歳)も年だし、息子の将来を悲観して殺した」と供述しているそうで、殺された息子はいわゆる「引きこもり」だったようです。
近年、「引きこもり」と呼ばれる人たちの存在が明らかになってきていますが、どのくらいの人数がいるかご存知ですか?
内閣府が過去に行った調査によれば、「家からは出ない」「自室からほとんど出ない」という明らかな引きこもりと、「自分の趣味に関する用事のときだけ外出する」という、”ほぼ”引きこもりを合わせた数は、推計で全国に約70万人もいるようです。
しかし、この調査は15歳から39歳以下が対象で、40歳以上の中高年の引きこもりについては、よく分かっていないのが現状です。
殺された息子も私も共に40歳代。
年齢も非常に近いんですが、同世代として考えてみると、40歳代に30歳代に負けないくらいの数の「引きこもり」が存在するであろうことは、容易に推測できます。
今から20年以上前、首都圏で幼女の連続誘拐殺人事件がありました。宮崎勤という名に聞き覚えがあるでしょうが、彼は引きこもりでした。
1962年生まれですから、生きていれば51歳です。
そのくらいの年代でも、家庭内に引きこもる人間の存在は決して珍しいものではありませんでしたから、今の中年世代にも相当な数の引きこもりさんが存在するのは確実かと思います。
さて、引きこもりの話はさておき、親族間の殺人の話です。
今回のケースでは、殺された子(オッサンだが・・・)は、10代のときに皮膚疾患を患い、それをきっかけに引きこもりになったようです。
70歳の父親からすれば、44歳の息子が引きこもりでは、そりゃ心配でしょう。
で、頼まれたから、殺してやった・・・
その思考回路、行動パターンが理解しかねる部分が多々あるのですが、当事者でしかわからない追い詰められた感覚など、特異な環境が正常な判断を狂わせる要素があるんでしょう
私には引きこもりの子の面倒を、長年見続けたような経験はありません。
身近な例で言うと、要介護4の父親がおりますが、もし、彼の介護を社会から隔絶された状態で毎日続けたら、かなり早い時期に「殺してあげるしかない」というような感覚に追い込まれても不思議でないと思います。
1日や2日なら、愛情を持って介護してやれるでしょうが、3日も続けたら「ぶっ殺してやろうか?」と思い始めて、一週間も経てば、こっちの頭までおかしくなること間違いなし!
おそらく一番ツライことは、「いつまで続くか分からない」という、先が見えないことだと思います。
「いつまで生きるか=いつまで面倒を見なければならないか」なんて、神様にしかわからないことですから、当事者にとっては永遠に続く地獄のように思えます。
”先が見えない”って、本当に辛いんですよ。
それでも、高齢者の介護なら、先が見えないながらも、「自分より先に死んでくれるだろう」という希望があります。
おそらく、高齢者が少しずつ肉体的に弱っていくという、目に見える成果をも確認できる介護ですから、精神的にはまだマシです。
やはり、今回の事件のような、年少者の面倒を見続けるパターンの方が大変ですね。
面倒見ている人間のほうが先に死ぬであろうという前提ですから、まずは死ぬまで面倒を見続ける=自由になれないという苦しい状況です。
しかも、高齢者に対しては手厚い社会福祉制度が存在しますが、引きこもりはもちろんのこと、障害者なども含めた若年者に対する社会福祉制度は手厚くありません。
今後もこのような事件が発生し続けること間違いなし!
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