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社長の独り言

金属くず商 - たまに覗くから面白い!毎日見ないでぇ・・・飽きるから。。 -

投稿日時:2014/03/10(月) 05:32


先日、古物商許可証には代表者の個人住所までが記載されており、その許可証は提示義務もある・・・という話を書きました。

今日は、「金属くず商」という許可の話をさせていただきます。


先日の古物商についての話の続きみたいになりますが、代表者の個人住所が記載されているのは、古物商だけでなく「金属くず商」の許可証も同様です。

古物商許可証と非常によく似ていますが、こちらが金属くず商許可証です。



ところで、「金属くず商」許可というのは法律ではなく、各都道府県ごとに定める条例で定められた許可です。

許可が必要な自治体と、必要でない自治体がある・・・ということになりますね。



私どもの場合ですと、本社所在地である大阪府では金属くず商許可が必要で、事業主体がある愛知県では金属くず商の許可制度は廃止済みです。

平成24年3月時点で金属くず商許可が必要な道府県は、北海道 、茨城県、長野県、福井県、静岡県、岐阜県、滋賀県、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県 の計16道府県となっているようです。



そもそも、戦後間もない頃の金属くず泥棒が頻発した時代に、これを防止することを目的に全国で成立した条例です。

リヤカーを引いて金属くずを盗み、近所のヨセ屋に売り捌く・・・という時代ならば、金属くず商の許可制度の有効だったかもしれません。

でも、誰もがトラックに乗って広域を移動する時代では、有効性は薄れているのでしょうね。

せいぜい、都道府県内の金属くず事業者を把握する・・・という程度の意味しかなくなっているとは思います。



金属くず商に関しても、古物商の許可証と同様に提示義務があります。

でも、古物営業法と金属くず営業条例をキチッと読んでみると、明らかな違いがあって面白いんです。



まずは、大阪府の金属くず営業条例における提示義務に関する条文をご紹介しましょう。


(届出済の証の携帯義務)
第二十三条 金属くず行商人は、営業中、届出済の証を携帯し、警察官の請求があったときは、これを提示しなければならない。



次に古物営業法の条文をご紹介します。

(許可証等の携帯等)
第十一条
3 古物商又はその代理人等は、行商をする場合において、取引の相手方から許可証又は前項の行商従業者証の提示を求められたときは、これを提示しなければならない。



違いが分かりますか?



金属くず商においては、提示する対象が「警察官」なんです。

一方、古物商においては「取引相手」です。



微妙な温度差がありますねえ~。



つまり、金属くず商許可制度とは、リヤカーに金属くずを積んで運んでいる人間を発見した際、警察官が「アンタ、許可を持っているのか?」と職質して、泥棒さんとクズ屋さんとを見分け易くするための条例・・・と受け取ってもよいと思います。

一方で、古物商許可制度とは、民民の商取引において業者の信用度を公的に一定水準まで担保した制度・・・と言えるのかもしれません。



少々ひねくれた話になりますが、古物商許可証については警察官から提示を求められても提示する義務はありません。

金属くず商許可に関しては、取引相手から提示を求められても提示の義務はありません。



もっとも、古物営業法でも金属くず営業条例でも、警察に立ち入りおよび調査権が与えられていますから、例えば警察官に対して古物商許可証の提示を拒んでも、意味がないですね。

公権力相手に喧嘩はしないことが肝要です♪



ところで、金属くず商許可というのが、条例で都道府県ごとに許可が必要な地域と必要でない地域に分かれる・・・という話です。

これって、非常に微妙な問題が出てきます。



例えば、

金属くず商許可が必要でない東京都の金属くず事業者が、金属くず商許可が必要である静岡県にある取引先へ金属くずを引き取りに行く時、東京都の金属くず事業者は静岡県の金属くず商許可が必要でしょうか?



あるいは、

金属くず商許可が不要な愛知県にある金属くず商へ、金属くず商許可が必要な静岡県の事業者が金属くずを持ち込んできた場合、愛知県の金属くず商は、静岡県の金属くず商許可が必要でしょうか?



この問題は難しいですねえ・・・。

条例の効力の場所的範囲は、区域内に滞在する者に属人的に適用されるのが原則です。(最高裁判所判決昭和29年2月24日刑集8巻2号1866頁)



ということは、静岡県の空気を吸っている全ての人間に対して、静岡県の条例は有効であるということになります。

たとえ東京都の住民であれ事業者であれ、静岡県に入ったからには静岡県の条例が適用されるということになりますね。

これが原則論と考えてよさそうです。



ただし、条例の条文や解釈によって、状況は変わってくると思います。

例えば条文の中に、「県内に営業所を置くものは・・・」と書いてあれば、県外事業者は許可を取る必要がありませんし、あるいは条例の解釈として「県内事業者を対象にしたものである」という運用を行っている自治体もあるでしょう。

条例の条文をキチッと読んだ上で、各都道府県(この場合都府県ですが)に対して問い合わせるしか、方法は無さそうですね。



めんどくせ!
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